高松宮殿下記念世界文化賞

 高松宮殿下記念世界文化賞は、58年の長きにわたって日本美術協会の総裁をつとめられた高松宮殿下の、「世界の文化・芸術の普及向上に広く寄与したい」というご遺志を継ぎ、そのお名前をいただいて1989年、日本美術協会が2世紀目の活動に入るのを記念して創設されました。
 授賞の対象は現存の芸術家で、絵画、彫刻、建築、音楽、演劇・映像の5部門ですぐれた業績をあげた個人または団体に、メダルと賞金各1500万円が贈られます。

 中曽根元首相は、高松宮殿下記念世界文化賞創設当初より国際顧問として活躍しています。ちなみに、中曽根元首相以外の現在の国際顧問は以下の通りです。

*ウンベルト・アニエリ(イタリア)
1934年生まれ。フィアット自動車などを含む巨大企業グループ・IFI副会長。日伊協会会長、イタリー・ジャパン ・ビジネスグループ共同座長。イタリアフットボール協会会長。

*レイモン・バール(フランス)
1924年生まれ。パリ大学教授、EC副委員長などを経て、 76〜78年フランス首相をつとめる。1995年からリヨン市長。

*エドワード・ヒース(イギリス)
1916年生まれ。70〜74年イギリス首相をつとめる。下院の最古参議員。92年「下院の長老」となり、最上位勲爵士 に任ぜられる。

*デイビッド・ロックフェラー・ジュニア(アメリカ)
1941年生まれ。92〜98年ロックフェラー・アンド・カンパニー会長。ニューヨーク近代美術館理事。

*リヒャルト・フォン・ワイツゼッカー(ドイツ)
1920年生まれ。連邦下院議員、西ベルリン市長を経て、84年から旧西ドイツ大統領、89〜94年、再統合したドイツ連邦共和国の初代大統領。

 また、中曽根元首相と同じく創設当初より国際顧問をつとめた次の3氏は名誉顧問に就任されています。

*ジャック・シラク(フランス)
1932年生まれ。74〜76年、86〜88年の2度にわたり首相。また、77年から95年までパリ市長をつとめた。1995年5月フランス共和国大統領に就任。

*デイビッド・ロックフェラー(アメリカ)
1915年生まれ。61年チェース・マンハッタン銀行会長に就任、69〜81年には最高経営責任者をつとめた。73年、日米欧委員会発足に尽力、78年からジャパン・ソサエティ名誉会長。91年、日本の勲一等瑞宝章。

*ヘルムート・シュミット(ドイツ)
1918年生まれ。国防相、蔵相などを経て、74〜82年西ドイツ首相。68〜84年社会民主党副党首。1985年から新聞「ディー・ツァイト」発行人。

 なお、名誉顧問の一人であるアミントレ・ファンファーニ(イタリア元首相)は、1999年11月20日死去されました。

'94 年6月



'94 年10月



'95 年10月



'96 年7月



'97 年7月





世界文化賞受賞者の選考にあたって

 ハーバード大学のサミュエル・ハンチントン教授は「21世紀は文明の衝突の時代である」言われた。しかし、私は文明を背負う国家間の大きな衝突があるとは思わない。宗教的対立から発生したカシミールやコソボの紛争のようなものは起こるかもしれないが、文明の対立はむしろ、世界の諸国民の心に内在化し、起こりつつあるのではないだろうか。
 古典的な宗教や芸術に対して、新しい宗教や芸術観が21世紀には激しく沸き起こる予感がする。それは今までの宗教や芸術が陳腐化し、疲労度を加えるのに対し、人間が本来持っている新しい天地に生きる力や創造力は、現在の生活や社会通念を乗り越える跳躍の意欲などを引き起こすものだろうと思うからだ。
 世界文化賞受賞者の選考にあたっての私の関心はここにある。
 



歴代受賞者

【絵画部門】
1989年 ウィレム・デ・クーニング(アメリカ)
デイビッド・ホックニー(イギリス)
90年 バルテュス(フランス)
ピエール・スーラージュ(フランス)
91年 アントニー・タピエス(スペイン)
92年 ザオ・ウーキー(フランス)
93年 ジャスパー・ジョーンズ(アメリカ)
94年 ザオ・ウーキー(フランス)
95年 マッタ(フランス)
96年 サイ・トゥオンブリー(アメリカ)
97年 ゲルハルト・リヒター(ドイツ)
98年 ロバート・ラウシェンバーグ(アメリカ)
99年 アンゼルム・キーファー(ドイツ)

【彫刻部門】
1989年 ウンベルト・マストロヤンニ(イタリア)
90年 アルナルド・ポモドーロ(イタリア)
91年 エドゥアルド・チリーダ(スペイン)
92年 アンソニー・カロ(イギリス)
93年 マックス・ビル(スイス)
94年 リチャード・セラ(アメリカ)
95年 クリストとジャンヌ=クロード(夫妻)(アメリカ)
96年 セザール(フランス)
97年 ジョージ・シーガル(アメリカ)
98年 ダニ・カラヴァン(イスラエル)
99年 ルイーズ・ブルジョワ(フランス)

【建築部門】
1989年 イオ・ミン・ペイ(アメリカ)
90年 ガエ・アウレンティ(イタリア)
91年 ジェームス・スターリング(イギリス)
92年 フランク・ゲーリー(アメリカ)
93年 丹下健三(日本)
94年 チャールズ・コレア(インド)
95年 レンゾ・ピアノ(イタリア)
96年 安藤忠雄(日本)
97年 リチャード・マイヤー(アメリカ)
98年 アルヴァロ・シザ(ポルトガル)
99年 槙 文彦(日本)

【音楽部門】
1989年 ピエール・ブーレーズ(フランス)
90年 レナード・バーンスタイン(アメリカ)
91年 ジェルジ・リゲティ(オーストリア)
92年 アルフレッド・シュニトケ(ドイツ/ロシア)
93年 ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(ロシア生まれ・無国籍)
94年 アンリ・デュティユー(フランス)
95年 アンドリュー・ロイド・ウェッバー (イギリス)
96年 ルチアーノ・ベリオ(イタリア)
97年 ジョージ・シーガル(アメリカ)
98年 ダニ・カラヴァン(イスラエル)
99年 ルイーズ・ブルジョワ(フランス)

【演劇・映像部門】
1989年 マルセル・カルネ(フランス)
90年 フェデリコ・フェリーニ(イタリア)
91年 イングマール・ベルイマン
92年 黒澤 明(日本)
93年 モーリス・ベジャール(フランス)
94年 アンリ・デュティユー(フランス)
95年 ジョン・ギールグッド(イギリス)
96年 アンジェイ・ワイダ(ポーランド)
97年 ピーター・ブルック(イギリス)
98年 リチャード・アッテンボロー(イギリス)
99年 ピナ・バウシュ(ドイツ)

高松宮殿下記念世界文化賞 オフィシャルホームページ
http://www.japanart.or.jp/